2006/11
11/29
行きたくない。
鑑美
稽古前にきもので泉屋博古館に行ってみる。中国陶磁の展示で、確か日経に解説が出ていてちょっと気になっていたもの。
チケットの柄になっている青白磁が、写真とは比べ物にならないくらい可愛くて困りました。あと、小物が生き物に見えるよ……どうしよう。
11/20
泣いてもばれないなんて、すばらしいじゃない!
犬吠
海が嫌い。
9月の頭に、銚子に行った。青春18きっぷの余りを使って、日帰りの旅。寿司を食べて、海岸を歩いて、ローカル線で帰ってくる。ただそれだけの小さな旅。
遠くで波の音がして、僕は振り返る。波が遠くから押し寄せてくる。でも僕は動かない。ただ近づいてくるそれを、見ているだけで。そして指が海に触れて、僕は流れていく。水に揉まれて、流されていく。目を開けたまま。悲しい目を開けたまま。
初秋の青空の下で。愛くるしい子猫の横で。笑顔の友の輪の中で。あるいは好きな人の隣にいる時でさえも。僕の後ろには、僕が振り返るとそこには、それがあった。たとえ前を向いていても、背中に感じるそれが涙を溢れさせた。
だから、海に行きたかった。海に行って、波を見たかった。それがいったい何なのか、分かるかもしれないと思った。
でも分からなかった。僕の指が海に触れることは無かった。夕映の屏風を見た。丘の上で空を感じた。
それは姿を消した。